市指定無形民俗文化財(平成18年8月22日指定)
柳井市伊陸1468
伊陸南山神社神楽保存会
伊陸南山神社の神楽は、荒神神楽の性格をもっており、岩国行波の神舞が玖珂盆地の長野に伝わり、それが伊陸へ伝えられたといわれている。神楽の歴史は古く、神社保管の木札によれば元禄16(1703)年に執行された記録があり、300年以上継承されている。
神楽は、現在、伊陸大迫・竹常地区が交互に当屋を担当し、毎年3月3日の直前の日曜日、八関神楽を伴う松舞は24年の周期で奉納されている。
【湯立神事及び16演目の神楽】
前夜祭の湯立神事から始まり、翌日の神殿入り六神、砂水、式太刀、日本紀、安鎮、三鬼、四人相太刀、勧請、天大将軍、五人太刀、内外(柴鬼)、八幡勧請、武鎮(途中に奴)、地鎮、松舞(松登り)、岩戸の順で2日にわたり演じられる。
終盤の松舞(松登り)は、高さ約25メートルの松柱を立て、八関の舞とともに松柱の頂に登って神事を行う。その後、神社側に張られた綱を伝い、曲芸的な舞を演じながら降りる様子は壮観である。最近では平成16(2004)年2月28~29日に執行されている。
また、神社南斜面に舞場を見おろすように半円形に造りだされている階段状の桟敷は、県内でも有数の歴史的野外演劇場である。
【南山神社の沿革】
古村記(1668年)に「竹常ニ明賢御座。祭日不定。」とあり、享保増補村記(1728年)に「明現社 武常 九月十三日、又、十一月吉日ヲ撰、祭之。」と記されている。この妙見は、岩国市周東町川上に所在する鮎原妙見宮(鮎原剣神社)から勧請されたといわれている。