2022年 新しい年がスタートしました。昨年末からの新型コロナウィルスの感染状況が気になるところですが、必要以上に過敏にならず万全な感染症予防対策に努めながら、一歩ずつ確実に前進できる年になる事を心から願っています。

 「伊陸地区コミュニティ協議会」は、平成30年に地区の地域諸課題を解決するための未来の設計図である「伊陸夢プラン」を策定し、発表しました。「まちの幸福論」は、伊陸小学校6年生が「夢プラン」を元に地域課題を勉強し、課題解決に向けた取り組みを自分たちで考える授業として位置づけられています。
 今年度は、令和3年11月25日(木)に「夢プラン支援協議会」会長による伊陸地区の現状や未来の事、「夢プラン」についての授業がありました。そして、この授業を基に「ふるさと伊陸の未来」について考えた学習発表「まちの幸福論」が、令和3年12月17日(金)に行われました。

 会長は、「人口の減少」について子ども達に分かりやすいように、自身の小学校時代の話をされました。昭和41年頃は長野地区に2年生まで通う「伊東分校」があり、3年生から本校に通っていたそうです。当時の全校生徒数は約240名、自身のお子さんが小学生だった平成8年頃は約130名だったそうです。(現在43名)また、昭和43年頃までは小学校の隣に「柳井商工高等学校 分校」があったそうです。定時制(4年制)週4日の通学で、多くの生徒は週1日は家業(農業)の手伝いをしていたそうです。現代では想像もつきませんが、このようにして米の生産、家計や暮らしを支えていたことを教えていただきました。
 伊陸地区の人口は現在約1500人ですが、10年後には1060人になると言われています。子ども達は、伊陸の人口減少の原因として「高校や大学がない。」「店が少ないので働く場所がない。」「若い人が自然に興味を持てない。」などを挙げていました。総務省のデータでも人口減少の最大の原因は、「若者の都市部への移動」となっています。そんな伊陸の状況を「今以上に魅力ある地域」になるように考えられたのが「夢プラン」であり、子ども達が考える「まちの幸福論」なのです。
 「夢プラン」は平成30年3月に「たすけあいの郷〝いかち〟」と題して10の活動項目が発表されました。「夢プラン支援協議会」は「夢プラン」を実現するために支援する団体です。会長は「夢プラン支援協議会」のこれまでの取り組みについても話をされ、「夢プランを実現していく意味は、〝伊陸で楽しく暮らせる〟〝元気で助け合える地域〟の実現につながると思います。」と話されました。

 子ども達は、この日の授業を受け「伊陸を盛り上げる」方法を考えまとめたものを、12月17日(金)に「まちの幸福論」発表会で報告しました。

 

 学校運営協議会委員、保護者、地域の方を招いて行われた発表会では、2つの班がそれぞれ考えた「光で人集め」「伊陸神楽の継承」の発表があり、その後、参観者を交えてそれぞれの班で熟議が行われました。

 子ども達の知らない伊陸の事を大人が教えたり、子ども達のアイディアがより膨らむように大人がアドバイスをしたりと、とても充実した熟議となりました。子ども達は分からないことがあるとすぐにタブレットで調べ、情報をみんなで共有したり、意見を出し合いまとめたものを書き出していく作業を淡々とこなしていました。私が大人になって体験した「ワークショップ」をすでに習得している姿がとても頼もしかったです。
 生まれ育ったふるさとについて考え、地域の人と話し合い繋がりを作っていく‥そんな体験がふるさとを愛する心を育てていくのだと感じ、私たち大人はしっかりと土台を築いて、未来へバトンが繋がるよう頑張らなくては‥と気が引き締まる思いがしました。