2月は厳しい寒さの日が続きました。17日(木)は、前日からの雪が積もり小学校のグラウンドは一面真っ白でした。伊陸で雪が積もることは1年に1回あるか無いかなので、子ども達は授業が終わるたびにグラウンドに出てきて大はしゃぎでした。長めの休み時間では、先生も一緒になって雪合戦をして盛り上がっていました。隅の方でこっそり小さな雪だるまを作っていると、低学年の子が「すご~い!どうやって作るの?」とやって来て、しばらく一緒に遊びました。でも、一面に積もっていた雪も昼までにはすっかり溶けて、一緒に作った小さな雪だるまもなくなっていました。束の間の雪遊びは、童心に帰ったようで楽しかったです。

 そんな雪の余韻が残る2月24日(木)、老人大学第4回講座が開かれ、地域の方13名が参加して人権について学びました。

 我が国においては日本国憲法の基本的人権の保障を具体化するため、法制度の整備など様々な取り組みが行われてきました。近年も様々な人権に関する法律が施行されています。山口県では、平成14年に「山口県人権推進指針」が策定され、県民一人ひとりの人権が尊重された心豊かな地域社会をめざして、人権に関する諸施策が総合的に推進されています。今回の「人権研修」も、この山口県人権推進指針の基本理念に基づいた取り組みと言えます。

 講師の大川幸枝さんは小学校教員・小学校校長を経て、現在「民生委員主任児童委員」「保護司」「行政相談委員」など、様々なボランティア活動をされ地域と関わっておられます。穏やかな口調と大川さんの人柄が醸し出すその場の空気に、どんどん引き込まれていきました。
 大川さんは「人権は、日頃の生活の中にあって、幸せに暮らしていくためにいつも心に留めておかなくてはいけない事。」と話されました。また、様々な関りを通して「社会は支え合いで成り立っている。」と感じられるそうです。

絵本「花さき山」の読み聞かせに、みなさん聞き入っています。

 

 大川さんは、教員として保護司として、そして自身の介護の経験を通して「支え、支えられている」と感じた事を具体的に話されました。何気ない日常の中で繰り返される言葉のやり取りや、きっと誰もが経験している些細な事に気付けることが、その人の心の財産となるのだと感じました。そしてそれは、人としてお互いが真剣に向き合うからこそ気付ける事だと思います。

 大川さんは「手紙~親愛なる子供たちへ~」という樋口了一さんの曲を紹介され、歌詞を朗読されました。そこには年を重ねる事への親の思い・子どもへの思いが描かれています。朗読を聞きながら涙が止まらなかったのは、きっと私だけではなかったと思います。
 また、北京オリンピックを終えた羽生結弦選手の言葉も紹介されました。
 「人生って報われる事がすべてではない。報われなかった今は今で幸せだな。」
 羽生選手が自分に真剣に向き合ってきたからこその言葉だと感じました。


 大川さんのお話を聞いて「ありのままを受け入れる事」が「人権を尊重する事」に繋がるのだと感じました。自分の「ありのまま」も周りの「ありのまま」も心穏やかに受け入れる事はとても難しいですが、それも人として生まれた醍醐味なのかもしれません。
 色々なことに気付かされ、自身を見つめるよいきっかけとなりました。