3月に入り暖かい日が続き、あちらこちらで梅の花がほころんでいます。小学校では6年生の卒業に向けて着々と準備が進められています。卒業式の練習をする子ども達の姿は立派で頼もしく感じ、また、巣立ちの日を思うと寂しさもこみ上げてきますが、それぞれの未来にエールを送りたいと思います。

 2月27日(3月3日直前の日曜日)、南山神社では「例大祭」が行われました。毎年行われる「例大祭」では、本殿を飾り12演目の神楽が奉納されるのですが、昨年は新型コロナウィルスの影響で神事のみとなってしまいました。今年はなんとか本来の「例大祭」を行いたいという思いで準備をされてきましたが、残念ながら感染拡大を受けて神楽の一部である「飾り」のみを奉納して神事を行いました。。

本殿いっぱいの飾りは圧巻で、神々しさを感じました。

 「飾り」は、神楽保存会の兼廣さんが親子3人で作られました。1月から準備に取り掛かられたそうです。「飾り」にはそれぞれ意味があり、お祭りの後にはご利益を願って「飾り」をいただく人も多いのだそうです。

「上り龍」
「下り龍」

 「飾り」の中でひときわ目を引くのが「上り龍」と「下り龍」です。以前「上り龍」を受け取られた方が、「その年から仕事が上り調子で忙しくなり、3年後に「下り龍」をいただいたら潮が引くように落ち着いた。」と話されました。そんな話をお聞きし、ますます神聖な気持ちになりました。氏子の皆さんのご厚意で、私も玉串を捧げさせていただき貴重なご縁をいただきました。

 

 12月に「まちの幸福論」の発表会で子ども達は、この南山神社神楽の継承について自分たちが考えた案を発表しました。その時に「神楽保存会」の方に、保存会の存続の難しさや24年に一度行われる「八関神楽」に関わる大変さを聞きました。子ども達はその授業の後も〝自分たちにできる事〟を考え実践したそうです。

 まず子ども達は、「八関神楽」を全校生徒に紹介し、「八関神楽」を実行するための募金活動をしました。伊陸小学校独自の取り組みである「まいかファンド」に協力してもらうために、「まいか」のキーホルダーを作成したり、地域の方へ「資源ごみ回収のお手伝い」のチラシを配り「資源ごみ」の回収をしたりしました。「資源ごみ回収」では、各家庭を手押し一輪車で回り、新聞紙280㎏・段ボール52㎏・空き缶10㎏を集めました。
 そして3月3日(木)に、12月の「まちの幸福論」の授業後の自分たちの取り組みを報告し、「神楽保存会」の河村会長へ募金を手渡しました。短い期間での子ども達の行動力には脱帽です。また、「地域のために何かをしたい」という子ども達の思いにも感動しました。

伊陸小学校キャラクター「まいか」の看板の前で、集めた募金を渡しました。

 河村会長は、「皆さんが神楽の事を色々と考えてくれていることが嬉しいです。皆さんの気持ちを活かしていきたいと思います。小学校で習った神楽を卒業してやめるのではなく、これからも続けて協力できる体制づくりが次の世代に続いていく事になります。神楽に興味を持った人はこれからも続けてください。」と話されました。

 今回の子ども達の行動力には、「信念があれば成し遂げる事ができる!」と背中を押された気がしました。〝できない〟と決めつけず〝何ができるかを考える〟事は何事に対してもいえることだと思います。
 6年後の「八関神楽」開催に向けた原動力へと繋がっていくと信じています。