桜の開花があちらこちらで聞かれるようになり、春らしい気温に誘われるように心も弾んでくるようです。小学校は春休みに入り、伊陸公民館内にある「伊陸児童クラブ」からは、朝から元気な声が聞こえています。子ども達の元気な声に一日のパワーをもらっています。

 3月8日(火)、山口県東部ヤクルト販売(株)の管理栄養士 藤田恵美子さんを講師に迎え、老人大学第5回講座「フレフレ♪♪フレイル予防!」が開催され、21名が受講しました。
 「フレイル」とは「健康と要介護のはざまの状態」の事で、2018年に厚生労働省が「フレイル対策事業」を本格始動しています。2013年に65歳以上を対象に行った調査では、フレイルの状態の人の割合は11.5%でした。80歳以上に関しては34.9%もの人がフレイルの状態という結果でした。2025年には、65歳以上の高齢者の内75歳以上の後期高齢者が3分の2を占めると言われています。日本人の平均寿命は、男性 81.4歳・女性 87.45歳ですが、健康寿命の平均は、男性 71.14歳・女性 74.71歳だそうです。10年以上も心身に不調を抱えて過ごすことになります。そうならないために、今できる事を実践して健康寿命を延ばしましょう。

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 まずは「フレイルチェック」です。
▢最近ちょっと痩せて来た‥
▢前よりも疲れやすくなった気がする‥
▢外出がおっくうになってきた‥
▢美味しくものが食べられなくなってきた‥
▢歩くのが遅い‥
 こんな傾向は「フレイル」かもしれません。「フレイル」により気力・体力が弱ると食欲がなくなり、転倒しやすくなる、すると、さらに外出しなくなって「フレイル」が進むという悪循環が起こります。

 「フレイル」にならないための3原則は
〇栄養‥バランスの取れた食事を3食しっかりよく噛んで食べましょう。
〇人とのつながり‥趣味・ボランティア・就労など自分にあった活動を見つけましょう。
〇運動‥筋肉の維持・心の健康のために今より10分体を動かしましょう。
です。
 「栄養」のポイントは、筋肉を落とさないための食事に気を付ける事です。肉類や魚介類・卵などのたんぱく質を毎食きちんと摂りましょう。1日に必要なたんぱく質の量は片手が目安です。また、骨粗しょう症の予防のためにもカルシウムをしっかり摂りましょう。和食に乳製品はあまり使われないので、牛乳を飲むなど意識するといいかもしれません。「バランスの取れた食事」を気にし過ぎず、3日間くらいで調整すればいいそうです。そして、痩せてきたら要注意です。痩せないための食事の摂り方のコツは「おかずファースト」です。野菜やたんぱく質のおかずを先に食べる事で、食後の血糖値の上昇も緩やかになります。
 次に「人とのつながり」については、社会とのつながりを失うことが「フレイル」の最初の入り口と言われています。社会機能を失う事で、引きこもりや孤立などを引き起こし、活動量が減ることにより「フレイル」の状態になりやすいのです。まずは、人とつながることで心を元気に保ちたいものです。

藤田さんの明るさに引き込まれながら、一緒に体操を楽しみました。



 それでも年齢と共に体力は衰えて来ます。転倒による骨折などで、寝たきりや要介護のリスクが大きくなってきます。そうならないためにはバランス感覚が大事です。座ったままできる体操を教えてもらいながらみんなで実践しました。
 先の事は誰にも分かりません。自分の描いていた未来とは違うものになる事もあるでしょう。自分の心と体の状態を理解しながら、今できる事を無理なくやっていく事が大事だと思いました。

 「たくさん食べて、たくさん出かけて、たくさん笑いましょう!」