8月14日(日)、3年ぶりに「伊陸 納涼の夕べ」が開催されました。 
 新型コロナウイルスの感染状況に左右されながら幾度となく協議を重ね、心が折れそうになりながらも準備を進めてきました。〝行事ごとは3年行われなかったらゼロからの出発〟と言われるくらい、以前のノウハウが曖昧になっていたり役に立たなかったりします。また、3年前とは全く違った現状では考え直さなくてはいけない部分も多く、一度建てた計画も何度建て直したか分からないくらい、常にコロナ状況と戦っている感じでした。それでも『今できる事をやろう!』という気持ちに支えられながら、みんなで一つ一つ課題を乗り越えて当日を迎えました。


 準備では酷暑との戦いでした。
 「金魚ちょうちん」の飾り付けは、地域の方が高所作業車を持ち込んでくださいました。
 「舞台」設置作業は、暑さと材料の重さに苦労しながら組み立てていきました。
 「会場飾り付け」は、竹の切り出し・花の飾り付けなど、朝早くから多くの方が参加してくださいました。
 どの作業も、皆さんが楽しんでやってくださっているのが分かり、とても感激しました。3年ぶりのお祭りを楽しみにされていると同時に、自分たちの力でお祭りを盛り上げようという思いがひしひしと伝わってきました。たくさんの『縁の下の力』に支えられて、地域の行事は受け継がれている事を改めて感じました。

 今年の「納涼の夕べ」は、アルコールなしの飲み物と子ども達が楽しめるようにいくつかのゲームのみの提供でしたが、約500人の方で賑わいました。小さい子が浴衣を着て盆踊りを踊る姿は、見ているだけでほっこりします。また、懐かしい顔にもたくさん出会う事ができました。以前のように、たくさんの人が集まって同窓会気分を味わえるようになるにはもう少し時間がかかるのかもしれませんが、皆さんの様子を見ていると、「納涼の夕べ」は伊陸地区になくてはならないものとして心に根付いている事を強く感じました。

 ステージでは、地域の方による寸劇「いかち まいか号に乗ろう!」が披露され、小学6年生が開会宣言の後、『ひむろ子ども会』33名による「よさこいパフォーマンス」、「いかちミュージックショー」では、『伊陸氷室会』のお二人による歌の披露、「スター☆誕生‼」では、『伊陸ひむろスポーツ少年団』や地域の方や飛び入りの子ども達による合唱がそれぞれ披露されました。まさしく地域みんなで作り上げたお祭りでした。

 新型コロナウイルスの感染対策として、受付での検温・消毒はもちろんですが、入り口を1箇所にし会場に消毒液を数箇所置きました。その他にも、何度も協議を重ね様々な感染対策を行いました。
 でも、それ以上にご来場いただいたみなさんの感染対策の意識の高さに感心しました。配置された椅子は最後まで乱れることなく並んだままでした。翌日の後片付けではゴミの少なさに驚きました。感染対策と熱中症予防を考慮してペットボトルの飲み物を販売しましたが、売れた数に比べてペットボトルのゴミがかなり少ないのです。また、盆踊りを踊った後のプレゼントのお菓子は、マスクを外す時間が少なくて済むようにラムネにしたのですが、ラムネのゴミはほとんどありませんでした。
 「できる事をできる形でやろう!」という思いで取り組んできたお祭りでしたが、来場された一人一人ができる事を考え、実践してくださった姿に本当に感動しました。
 また、「子ども達が楽しみにしているお祭りの火を消したらいけんよ!」鼓舞してくださった方、「地域のため、若者のために大いにやったらいい。我々高齢者が自分の身を自分で守ればいい。」と来場を自粛された方々、様々な人の思いに支えられ実現できた「伊陸 納涼の夕べ」。地域の全ての皆さんが「縁の下の力持ち」です!!