9月19日(月)は、「敬老の日」です。「敬老の日」は「長年にわたり社会に尽くしてきたお年寄りを敬愛し、長寿を祝いさらなる長寿を願う日」とされています。
 柳井市では、新型コロナウイルスの収束が見通せないことから今年度も敬老会は中止とし、75歳以上の方に敬老祝品や祝金を贈りました。
 伊陸地区では約400人(約300世帯)の方が対象でした。「敬老の日」に併せて敬老祝品を配るために9月14日(水)は、朝早くから各自治会の福祉員さんが取りに来られていました。数日前からの事務局の準備や、当日の福祉員さんの何度も行き来して荷物を運ぶ様子を見て、地域で支え合う事の大切さを改めて感じました。
 
 また、毎年100歳を迎える方には、柳井市長が直接訪問し敬老祝品や祝金を手渡し敬意を伝えています。伊陸地区では2名の方が直接訪問を受けられました。

池永 愛さん(大ノ口地区)

 池永さんは週に数回デイサービスに通われていますが、身の回りのことはご自分でされています。食事に関してはおかずは作ってもらい、ご飯は自分で炊かれるそうです。月1回公民館で活動している「伊陸水彩画教室」にも参加され、キャンパスに黙々と筆を走らせていらっしゃいます。ご家族のお話では「絵を描くことが好きで、教室に行くのを楽しみにしてるんよ。」との事でした。毎年冬に開催される「公民館まつり」(コロナで2年間中止)で作品を拝見したことがありますが、大きなキャンパスに堂々と描かれた花や果物などは温かみがあって素晴らしい絵でした。いくつになっても趣味を持ち続けられるって素敵です。


中田 君子さん(中村地区)

 中田さんは、今も現役の魚屋さんです。仕入れは知人がされていますが、お客さんの要望に応じて魚を捌くのは中田さんです。背筋もしゃんとされていて、包丁さばきは見事です。中田さんは一人暮らしですが、「中田鮮魚店」は皆さんの憩いの場になっていて、中田さんの周りは笑顔と明るい声が絶えません。この日もご近所の方がおられました。「身内じゃないんよ。」と言われる女性は、中田さんの事を「おかあさん」と呼び、中田さんは女性の事を「娘みたい」と言われました。こんな支え合いがあるから70年以上も続けてこられたのでしょう。中田さんは、「もう辞めようかとも思うんだけどね、皆さんにやってほしいと言われるし、自分も辞めたら寂しいしね。できる間はやろうと思ってるんよ。」と話されました。
 帰り際、訪問2回目の私に何度も「ありがとうね。」と言ってくださるのです。この人柄が皆さんを引き付けて止まないのだと感じました。
 お二人にお会いして、こんな風に年を重ねていきたい、と大きな目標をいただいた気がしました。

 毎年何気なく過ごしてきた「敬老の日」ですが、困難な時代を苦労を重ねて切り開いて来られた大先輩方に、感謝と敬意を表するべき大事な日であることを、地域の皆さんの姿から再認識させてもらった貴重な一日となりました。