今年の夏は前半の猛暑の後は、雨の日が続き災害の心配が尽きません。新型コロナウィルスの感染拡大の懸念もあり出かけることが半減してしまい、夏らしさを楽しめない日々が続いて気が滅入ってしまいます。

でも、ようやく太陽が見られる日が戻って来たので、暑さと戦いながらも残り少ない夏を楽しみたいと思っています。

さて今回は、夏にピッタリ!スイカのお話です。

7月下旬、吾妹農園の吾妹さんから「スイカを収穫するから見においで。」とご連絡をいただきました。そこには大きく育ったスイカが並んでいました。

大きい物は12kgもあります。

吾妹さんは定年後、夢を実現させるために伊陸へ来られ、野菜づくりを始められました。

夢だったスイカづくりに挑戦を始めたのは14年前になります。自身で「トリプル15」(重量15kg、糖度15度、着果数15個/1株)の目標を掲げ、苗床づくりや肥料・植える時期や収穫の時期など様々な研究を日々続け、スイカづくりを楽しんでおられます。今年は梅雨入りが早かったので数は少なく160個ぐらい(30株)だそうですが、糖度はバッチリだということです。

スイカをなでながら「これは、もう嫁入り先(出荷先)が決まっとるんよ。」「これは○○に嫁に出すんよ。」と話される吾妹さんの表情には、スイカに対する愛情が詰まっています。

スイカに限らず野菜づくりで大切なのは、苗床づくりです。吾妹さんの苗床づくりは2月の寒い時期に始まります。根をいかに大きくするかが重要なのだそうです。

有機肥料で作った苗床に目印を付けておきます。

「化学肥料は一切使わず、100%有機肥料で作るんよ。」と話される吾妹さんのスタートは「孫が喜ぶ野菜作り」だったそうです。工学部出身の吾妹さんは「野菜づくりを科学するんよ。」と言われます。計画を立て、実践を記録し、データを元に解析をし、次へのAction(行動)へと繋げるのです。

お話を聞いていて興味深かったのは、吾妹さんの生き方でした。興味を持ったものを極め、写真や油絵など個展も開かれました。「常に夢を持ち目標を掲げ、それを実現させる努力を惜しまない」そんな強い信念を感じました。吾妹さんの心に残っている言葉は、数学者広中平祐さんの「(例えるなら)氷山の上は使っている能力、氷山の下は使っていない潜在能力」だそうです。

「まだまだ夢があるからね。」と話される吾妹さんは、ご自分の潜在能力に向き合い、叶えたい夢にどんどん挑戦されることでしょう。