第3回 「苔玉教室」🌱

 10月28日(金)、フラワーデザイナーの廣田弘美さんを講師に迎え「苔玉教室」があり、地域の方10人が参加されました。近年「苔玉」が人気だそうですが、この日の講座もすぐに定員が埋まり、男性の参加者もいらっしゃいました。「苔玉」は、草木の根を粘土質の土で包み、その周りに苔を巻きつけた盆栽の楽しみ方の一つです。この日用意されたのは、鉢植えのビオラと切り花のカーネーションとユーカリです。フラワーデザイナーの廣田さんらしく、一つの盆に和の「苔玉」と洋の「苔玉」で二つの風情を楽しめるように考えられていました。
 伊陸出身の廣田さんは、「伊陸の山には掘り出し物がたくさんあります。苔玉は、野の場所を家に持って帰るイメージで、風情を楽しむ物です。」と言われました。

  まず初めに練習を兼ねて、アクアフォーム(フラワーアレンジメント用吸水スポンジ)に苔を巻いて、取れないように生花用針金を巻き付けていきます。この時、苔にとってものびのびした環境が必要なので、針金は緩めに巻きます。そして、苔を巻きつけたアクアフォームに、カーネーションとユーカリの葉を活けていきます。「花の長さを3対2にしたらいいんだよね。」と話される男性は、「やったことはないけど、営業職だったから知識だけはあるんだよね。」と言いながら器用に活けておられました。
 次に、鉢植えのビオラを「苔玉」に変身させていきます。ポットから取り出したビオラの土を少し落とし、根腐れ防止剤を混ぜた水苔を巻き、その上からグリーンの苔を巻いていきます。盆の上で安定するように形を整えながら針金で苔を巻いていきます。針金を巻く作業は、緩すぎると苔が落ち、きつすぎると根が育たないので意外と難しいようでした。皆さん和気あいあいと楽しそうに作業を続けておられ、個性豊かな素敵な「苔玉」が出来上がりました。

 出来上がった「苔玉」は、レースのカーテン越しの日光を当て、水やりは台に水を張るだけでなく植物の上からも水をかけた方がいいのだそうです。ビオラの根が育って来ると水が足らなくなるので、株が育ってきたら針金を切って土に返すといいそうです。
 この日出来上がった「苔玉」は、春先くらいまでそれぞれのおうちで皆さんを癒してくれることでしょう。

第4回 「リース作り教室」🎄

 11月22日(火)、森本寛之さんを講師に迎え、地域の方8名が参加してクリスマスリースを作りました。
 森本さんは、お隣の日積の方で主にお米を作られていますが、重度障がい者施設勤務の経験もお持ちの多才な方です。森本さんがリース作りを手掛けるようになって10年だそうですが、きっかけは施設勤務の時の生徒さんとのお散歩時間に見かける木々や木の実などの自然だったそうです。リース作りで使う木の実や花は、森本さんが1年かけて野山で探したり、自宅で育ててドライフラワーにしたりしているそうです。この日の材料もほぼ柳井産だそうで、「(伊陸の)氷室岳にもよく行っています。」と言われていました。リース作りの土台となる「つた」は氷室岳で軽トラ4台分集めたそうです。

 それぞれに、「ツタを巻いて作った土台(直径約25㎝)」と「綿花1個」「シダーローズ(ヒマラヤスギの球果)5個」「コウヨウザン(松ぼっくりに似た木の実)2個」が用意されていました。その他、森本さんが用意された様々な木の実や花は使い放題でした。グルーガンで木の実を土台に付けていくのですが、見本を目の前にしてもどこから手を付ければいいのか悩んでしまいます。森本さんは、「バランスよく作るには、木の実などの飾りを三角形に並べる」「高さを調整するために、土台が高い所には低い材料、低い所には高さのある材料を付ける」などの基本を指導され、「見本はあくまでも見本。自分が思うように、作りたいものを作ればいいんです。」と話されました。

 グルーガンを使い、土台に木の実やドライフラワーを自分の感性を信じて(?)付けていきました。土台が見えないように「ヒムロスギ」を敷き詰めていくのですが、「ヒムロスギ」の上に木の実やドライフラワーは付きにくいので、先に土台に飾り付けるのがコツだそうです。「グルー」とは「樹脂」の事で、「樹脂」を熱で溶かして素材を付けていくのですが高熱で溶かされた樹脂はとても柔らかく、油断していると手にくっついてすぐに固まってしまうため、なかなか取れず何度も熱い思いをしました。森本さんは、大きなドライフラワーを小さくまとめるコツや土台に付けるコツなど、作業のタイミングに合わせて教えられ、皆さんに「いいですね~。いいですよ~。」と声をかけておられました。森本さんに褒められると嬉しくて作業もはかどりました。
 リース作りは、自分の作品に向き合いながら「無」になれる時間で、3時間があっという間でした。そして何より印象的だったのは、皆さんが他の人の作品を誉める様子です。私も隣の方に「すごく素敵ね~。華やかでいいわ。」と誉めていただき、認めてもらう事や相手を認める事の気持ちよさに気付かされました。
 
 それぞれの講座を通して、「公民館講座」は目的を達成するだけではなく、「人が集う」事にも意義があるのだと感じました。皆さんが楽しそうに作品を作られる様子や、初対面の人とも作品を通して交流が広がっていく様子を見て、私自身の「人間スキル」もほんの少し上げさせてもらった気がしています。