6月15日(水)柳井市消費生活相談員 岡本浩司さんを講師に迎え、令和4年度 第1回公民館講座「よりよい医療を受けるための患者のコミュニケーション術」がありました。梅雨らしい雨の日でしたが17名の方が参加されました。
 岡本さんは「コミュニケーションというのは相手の話も聞かなくてはいけないし、自分も話さなくてはいけない。」と言われ、「医師に聞きたくても聞けないことはありますか?」と質問されました。自分に当てはめて考えてみましたがなかなか思い浮かびませんでした。「自分の体の事だけどお医者さんだから間違いない」と思い込んでいるのかもしれません。治療を続けていて思うように結果が出なくても「お医者さんの言う事に間違いはないはずだからもう少し・・・。」という暗示にかかっている事もあるかもしれません。疑問に感じた事、治療に対する要望等、医師ときちんと話し合えれば不安や不満は少なくて済むのかもしれません。岡本さんご自身は、医師の「大したことない。」の言葉を信じて我慢した結果、症状は悪化していて大がかりな治療をした経験があるそうです。医師にも知識や力量の差があるので、時には他の医師の意見を求めるのも重要だそうです。

皆さん、岡本さんの軽快な話術に引き込まれながら聞き入っていました。

 

 よりよいコミュニケーションを築くには、自分の症状を理解し病気についての基本的な知識を身に着ける事が大事です。医師の説明がよく理解できなかったときは、よく分からなかったことを伝えましょう。医師は「治療」を目指し治療方針の提案をしますが、決定をするのは自分自身です。病気に対する自分の中の優先順位を決めておくと医師とのコミュニケーションも取りやすく、自身の意思を尊重したサポートがしてもらえるはずです。
 自分の病気に対して、「症状」「状態」「自分自身が解決したいこととその対処法」「治療法・対処法のメリット・デメリット」「選択した後の見通し」など、医師に質問する準備をしておきます。診察という限られた時間の中でよりよいコミュニケーションを築くためには、質問したいことをあらかじめメモしておき、優先順位に応じて話し合う事を心がけましょう。一度にすべての事を聞こうとしない事です。
 病気になると心も弱り、「医者だから」「医者なのに」「医者のくせに」など負の感情を抱きがちですが、「医師や医療関係者はチームメイトと心得ましょう。」という岡本さんの言葉こそが、医師とのコミュニケーションの鍵であり自分自身の病気と向き合う一番の方法だと感じました。
 
 若いころと老年期では、どの水準で「病気」「異常」とみなすのか、その状態を積極的に解消する必要があるのかなど、いろいろと違いが出てきます。そのため老年期には、患者の生活状況などを熟視する「かかりつけ医」が様子を見ながら、必要最小限の投薬で済ませられるよう、コントロールすることが望ましいとされています。
 近年注目されている「かかりつけ医」制度。厚生労働省の調査によると、「かかりつけ医を決めている」患者の割合は、全年齢層で83.3%に達しているそうです。75歳以上は約97%が「かかりつけ医」を決めています。このことからも、日頃からお付き合いのある医師とのコミュニケーションは大切だと言えます。
 かくいう私は「かかりつけ医」を決めていません。この講座を通して、自分の体や人生を見つめ直すいいきっかけとなりました。いざという時によりよいコミュニケーションが築けるよう、いろいろと準備しておきたいと思います。