例年になく早く始まった梅雨が明け、日差しが日に日に強くなっています。田んぼの稲はスクスクと育ち、緑の絨毯が広がっています。5月に子ども達と地域の方々が協力して芝生を植えた「アソビの庭」も、芝生がかなり伸びてきました。近々地域の方を講師に招いて、「芝生の管理方法」の講習会が行われることになっています。

さて伊陸には、地区で作った団体がいくつかあります。今回は、地区の景観活動に取り組まれた2団体をご紹介します。

まずはじめにご紹介するのは、長野地区の『ながの街道 悠遊クラブ』です。3年前に設立され、長野自治会全37戸が加入されています。精力的に活動されていて、毎月1回地区内の廃品回収をしたり、現在はコロナで中止されていますが、2ヶ月ごとにみんなで集まって地区の事を話し合ったり、ワイワイと楽しい時間を過ごされたりしています。高齢者にとっては、人とのつながりが元気の源になっている気がします。


6月のはじめ、梅雨の晴れ間を縫って、県の「きらめき道路サポート事業」の一環として、長野地区を通っている全長約2.2㎞の県道の整備を行いました。この日は36名が参加され、県道の草刈りや側溝の泥掃除などを3時間近くかけてやられました。

 続々と会員の方が集まって来られます。この広場も事前にキレイに刈られています。

草刈り機を使う人・熊手で集める人・軽トラで刈った草を運ぶ人・スコップで泥を除く人など、きちんと担当が決められており、2班に分かれて作業を進めるなど、執行部の方々は作業がスムーズに行われるように綿密な計画を立てておられました。

そのなかでも感動したのが、車が来たら作業中の人に知らせる係があったことです。近くにはゴルフ場もあるので車の往来も多いのですが、車を確認したら旗を振り、笛を吹いて作業中の人に知らせるのです。作業中の危険が回避できるように配慮されていて、会員の方への思いやりを感じました。

側を走る車へ配慮した看板を、上りと下りそれぞれに設置しています。

草はキレイに刈られ、側溝に溜まっていた泥もキレイになっています。

この日は梅雨の晴れ間で、気温がぐんぐん上昇していく中での作業でした。また車が行き来する中での作業は、色々な所に注意をしなくてはいけないので大変だったと思います。そんな中でも、皆さんが和気あいあいと楽しんでおられるようにも感じました。側を通る車に頭を下げて挨拶される方もおられて、見ていて清々しい気持ちになりました。

この道路は、みんなが気持ちよく利用できるように定期的に管理されていくそうです。


次に『ひむろ広域協定』の取り組みをご紹介します。『ひむろ広域協定』は、4つの団体から構成されています。このように、多くの団体が一つにまとまって事業に取り組むことで、「共同活動支援交付金」を効率よく、農地・農業施設や農村の環境を保全向上するために使えるという利点があります。6月下旬、『ひむろ広域』の中の『伊陸南部保全会』が地区の景観活動として、花の苗植えをされました。

『伊陸南部保全会』は、平成24年に設立され、3地区46名が加入されています。その中の小林地区の皆さんは、5年前から地区の景観活動として、田んぼの斜面や空いている畑に花を植える活動をされています。5年前にたんぼの斜面に芝桜を植えられ、1年後に見事なピンクや白の花の絨毯が現れた時には遠目に見ても見事でした。そんな活動をされている事など全く知らなかった私は、突如現れた全長150mの絵画のような花の壁に感動して、心がワクワクしたのを今でも鮮明に覚えています。

今年の春の様子です。この他2箇所にもキレイに植えられていました。

春の花が見られなくなった6月初めに、夏の花植えに向けて、地区の方々11名が枯れた花の引き上げを行いました。そして、6月下旬に早朝7時から苗植えの作業に取り掛かっておられました。

肥料をまいて耕し、雑草が生えないようにマルチシートを張ってから、花の苗を植えていきます。

皆さんお疲れ様でした。


ポーチュラカは夏に向けて可憐な花をどんどん咲かせます。

伊陸は自然豊かで、水も空気も美味しい所です。今回みなさんの取り組みを見させていただき、自然と共存するという事は、それを守っていく人の力の結集が必要だという事を、強く感じました。そして、それを楽しんでやられている皆さんの懐の深さに触れることができ、私の心の財産も一つ増えたような気がしています。

自分が住んでいる所を守っていくだけでなく、他地域から来られた方がきれいな道路を気持ちよく運転し、キレイな景色を楽しむことができる‥‥そんな場所がどんどん広がることを心から願っています。