「新年あけましておめでとうございます。本年が皆様にとって素晴らしい年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。」

 2023年が幕を開けました。「卯年」は「芽を出した植物が成長して茎や葉が大きくなる時期で、目に見えて成長する年」だそうです。目先の「成長」に一喜一憂せずに、焦らず腰を据えて地域の課題にじっくりと取り組んでいきたいと、決意を新たにしている所です。地域の皆さまと共に「たすけあいの郷❝いかち❞」を目指して参りたいと思います。

「注連縄づくり」

 昨年12月10日(土)、「注連縄の会」の方々を中心に氷室亀山神社で注連縄づくりが行われました。
 氷室亀山神社や南山神社、黄幡神社、荒神様など伊陸地区内の神社に奉納する注連縄16本を、26名で作りました。

 「注連縄」は、藁1束ずつをそれぞれ右巻きに綯い、3束を1組として左巻きに編んでいきます。当日の作業がしやすいように事前に藁の束を作りますが、約19000本の藁をそれぞれが分担して束を作っていました。束を作るには、藁を干し袴を取り長さを揃え、決められた本数を束ねていきます。注連縄は端と中央で太さを変えたり、奉納する場所によって太さや長さがそれぞれ違うので、作業がしやすいようにロープに印を付けるなど、事前の準備もされていました。
 注連縄を綯う作業はかなり力が必要です。男性が力いっぱい縄を綯う側で、女性や子ども達が藁の束を差し出したり注連縄からはみ出した藁をハサミで切ったりして、とてもいいコンビネーションでした。
 この日は26名で3時間以上かけて16本の注連縄を作り上げましたが、事前の準備を合わせると、とてつもない時間と皆さんの努力で完成したことに感動します。何よりも皆さんが笑顔で楽しんで作業される姿に、神様への感謝を感じました。
 
 初めはお一人でやられていた「注連縄づくり」を、「注連縄の会」を作って取り組むようになったのが8年前です。最初は5・6人だったメンバーも次第に増え、今年は「注連縄の会」以外の方も参加され、中には小さな子どもさんと参加された方もいらっしゃいました。「注連縄づくり」だけでなく、人との素敵な繋がりを体験させていただいたことに大変感謝しています。

「柳井市消防団年末特別警戒」🚒

 12月28日(水)、午後8時~午後11時まで「柳井市消防団伊陸分団」が伊陸地区内の見回りを行いました。新年を間近に控え、生活が慌ただしくなり出火危険の増大が予測されるため、火災予防の一層の強化を図ることを目的に地域内の点検を行いました。団員は、万が一に備え無線機を持って消防車に乗り、この日は5台の消防車で交代しながら伊陸地区全域をパトロールしました。
 年末の忙しい時期ですが、午後8時前になると続々と多くの消防団員がやって来ました。制服を身に着け敬礼する皆さんは、とても凛々しく頼もしく感じました。

 

 「柳井市消防団」は、9分団あり443人の団員が在籍しています。「伊陸分団」は3部で構成されており40名が在籍しています。災害時の消火活動や救助活動はもちろん、平常時は防火啓発活動や訓練、いざという時のために機械器具の点検などを行っています。消防団員は、いつ誰が現場に駆けつけても消火活動ができるように、全員訓練を受けています。
 何気ない日常も、多くの人の陰の努力や協力によって守られている事を、忘れてはいけないと感じました。

「門松づくり」

 暮れもいよいよ押し迫って来た12月30日(金)、「おやじの会」のメンバーが門松を2対作り、氷室亀山神社と伊陸小学校正門に飾りました。
 「門松」は竹や松で作られた正月飾りで、年神様が迷うことなくいらっしゃるよう、目印になるように飾られると考えられています。樹木には神様が宿ると考えられており、松は「祀る(まつる)」につながるおめでたい樹木として使われるようになったそうです。「門松」を飾るのは、12月29日は「二十苦」「苦松=苦が待つ」となり、12月31日は「一夜飾り」「一日飾り」として神様をおろそかにするので避けた方がいいと言われています。

 「門松」は「伊陸百働会連合会」が作っていましたが、高齢化により途絶えていました。お正月に神社に門松がないのは寂しいと、地域の方が「おやじの会」のメンバーに相談されたのが5年前だそうです。「門松作り」は経験がなかったので、2年間は「百働会」の方々の指導の元「門松」を作り、現在は「おやじの会」だけで取り組んでおられます。コロナ前は子ども達が体験できるように「ミニ門松づくり教室」を合わせて開催していましたが、感染拡大により開催できませんでした。

 まず、山から竹を切り出します。3本で1セットなので、「門松」2対で2mの竹が12本必要です。曲がっていると使えないので、山に入ってできるだけまっすぐに伸びている竹を探さなくてはいけません。チェーンソーで切り出し、運び出すだけでも大変な作業です。長くまっすぐな竹を、それぞれ必要な長さに切り表面をきれいに磨き、先端を斜めに切りカンナできれいに削ります。この時、竹の節を絡めて斜めに切ると切り口が「笑口」に似ている事から「笑う門には福来る」と言われているそうです。竹を切り出し形にする作業だけでお昼までかかりました。その後、山に「松」「梅」「南天」を取りに行き、土台に飾り付けました。

 「神様のためのものだから丁寧に扱えよ~。」と激励されながら、子ども達も手伝っていました。地域のために頑張る大人の姿を見ながら、自分たちの力も役に立つ達成感は素晴らしい経験だと思います。ほぼ1日かかった作業でしたが、素晴らしい門松が出来上がり、2023年の地域の方々の幸せを見守っていただける気がしました。